アメリカで活躍したカメラマンであり、イラストやコミックも描いたボンテージ・アーティスト”ジョン・ウィリー”。
彼が主宰し1946年から1959年まで発行された「Bizarre」はNo Nude、No Sexを掲げ美しい女性の拘束された写真やイラスト、ストーリーを掲載し、アービング・クロウなどのフェティッシュなカメラマンを生むと同時に、エネグ(ENEG)やスタントン(Eric Stanton)などのボンデージアーティストを輩出しました。
また、後世に語りつがれるスウィート・グエンドリンはこの雑誌から生まれました。
こうした拘束された女性の美しさをポップなアートとして創出したウイリーの功績は偉大です。
アイルランド出身の写真家”ニール・オブライアン”。
スケートボードをする友人たちを撮り始めたことが、写真家になるきっかけで、彼の写真の特徴は「その人が持つ独自の空気を変えないことを大切にしている」という被写体との独特の距離感にあります。ストリート感があり、とてもナチュラルな作品で、その場の空気感が見ているこちらにも伝わってきます。
”京都グラフィー”インターナショナル・フォトグラフィー・フェスティバルのご紹介。
京都グラフィーは、文化都市京都と写真芸術の融合を図ると同時に、京都の伝統工芸とのコラボレーションにより写真芸術が生活により深く浸透することを目指したフェスティバル。京都が最も美しい春の時期に、寺社や町家など京都ならではのロケーションを舞台に、世界各国から選び抜かれた写真で街全体が満たされます。
会場には京都文化博物館や大西清右衛門美術館、ARTZONEなどの文化施設やギャラリーをはじめ、高台寺塔頭 圓徳院、二条城などの歴史ある建造物も舞台となり、細江英公、高谷史郎や、マリック・シディペ、ニコラ・ブーヴィエなどの個性的な写真家が国内外から集結します。
春の美しい京都の街並を散策しながら、写真に触れてみてはいかがでしょうか。
KYOTOGRAPHIE
会期: 2013年4月13日(土)〜5月6日(月)
http://kyotographie.jp
注目の展覧会。
3月23日よりロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)でデヴィッド・ボウイの足跡を辿る世界初の大規模回顧展”David Bowie is”が開催中。
この展覧会では、コスチュームや写真・映像、ボウイ所有の楽器、アートワークなど、300点以上のアーカイブが初めて一堂に集められ、ボウイの創作過程を探ると同時に、50年にわたるそのスタイルの変遷、めくるめく変身の軌跡を辿る内容。
60点以上のステージ衣装の中には、フレディー・ブレッティのデザインによる「ジギー・スターダスト」のボディースーツ(1972年)、「アラジン・セイン」ツアーのための山本寛斎の華麗なデザイン(1973年)、 そして「アースリング」のアルバムカバーのためにボウイとアレキサンダー・マックイーンがデザインしたユニオンジャックのコートも含まれています。
また、「地球に落ちて来た男」(1976年) や「サタディ・ナイト・ライブ」(1979年) を含む映画・ライブパフォーマンスからの抜粋映像、「ボーイズ・キープ・スウィンギング」(1979年) や「レッツ・ダンス」(1983年) などのミュージックビデオ、「ダイアモンド・ドッグス」ツアー(1974年)のためのセットデザインの展示。
今回初公開のストーリーボード、手書きのセットリストや歌詞をはじめ、ボウイ自筆のスケッチ、楽譜、日誌の一部など個人的な所持品も出展されます。
デビッド・ボウイファンならずとも是非訪れたい展覧会です。
アイルランドのダブリンに生まれ,ロンドンを拠点にして世界的に活躍した画家フランシス・ベーコン(1909‒1992)の展覧会が東京国立近代美術館で開催中です。
フランシス・ベーコンは、その人生が20世紀とほぼ重なるため、ピカソと並んで、20世紀を代表する画家と言われています。生誕100年となる2008年から2009年には、テート・ブリテン(英国)、プラド美術館(スペイン)、メトロポリタン美術館(アメリカ)という世界でも主要な美術館を回顧展が巡回しました。
今回の展覧会は、ベーコンの世界を、代表作、大作を多く含む30数点の作品により紹介するもので、そのうちベーコンを象徴する作品のフォーマットである三幅対(トリプティック)も多数含まれています。また、ベーコンにとって最も重要だった「身体」に着目し、その表現方法の変遷を3章構成でたどろうとするテーマ展となっています。
世界では様々な美術館が展覧会をなんとか実現させているにもかかわらず、日本国内では30年間にわたり個展が開催されてこなかった画家。今なおジャンルを問わず多くのアーティストたちを刺激し続けている画家。この機会に、是非観ておきたい展覧会です。
フランシス・ベーコン展
会期 2013年3月8日(金)〜 5月26日(日)
会場 東京国立近代美術館 〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
http://bacon.exhn.jp/index.html
“l’étoile de Mer”は、Man Rayによる実験映画。同じくシュルレアリストの詩人Robert Desnosの詩を元につくられた男女の悲恋物語です。彼のミューズで恋人でもあったKiki de montparnasseも出演しています。写真で実験的にガラスや鏡を使用していたMan Ray、この作品でも同様にしてフォーカスを外した彼独自の映像はなにか幻覚のようで、とてもセンシュアルです。シュルレアリスム宣言が起こったパリの20年代、僕の好きな時代です。
2007年にValentin Abad、Julien Dhivert 、Sébastien Riveronによってパリで設立された”Akatre”。
彼らの活動はデザイン、コンテンポラリーアート、写真、映像など多岐にわたり、人を題材にした作品の多くは、顔や頭がいろいろなもので覆い隠されています。また、髪の毛を扱う作品もいくつかあり、個人的にすごく興味をそそられます。
アート、ファッション、適度にポップでユーモアも感じられ、とてもパリっぽい。。。要注目です!
アーティスト・田村友一郎の作品”NIGHT LESS”。この作品は全編がグーグルストリートビューの画像を繋いでつくられたロードムービー。舞台は、ネブラスカ、千葉、アラスカ、ポルトガル、マルセイユ。見る側は、元来物語がないはずの映像にいつのまにか物語を感じてしまいます。
撮影しないでつくられた映画は、果たして映画といえるのでしょうか?
オランダ・アムステルダムを拠点に活動する写真家、ポール・コイカー。
フェティッシュで幻想的な写真は、ハンス・ベルメールを想起させます。特に写真集”SUNDAY”は赤やピンクの背景に白い裸体が映える、センセーショナルな作品。
ニューヨーク、メトロポリタン美術館で5/9〜8/14まで行われる”PUNK : CHAOS TO COUTURE”展。
1970年代初頭におこったパンク・ムーブメントは、、それまでのファッションのルールを打ち破り、ハイファッションにも影響を与えました。
展覧会のインスタレーションでは、1994年にエリザベス・ハーレイが着用して話題となった、ジャンニ・ヴェルサーチのデザインによる安全ピンのドレスをはじめ、パンク時代に触発されたオートクチュールとプレタポルテのコレクションより、メンズとレディス合わせて100点がフィーチャーされる予定。「ヴェルサーチ」のほかに展示されるブランドには、「アレキサンダー・マックイーン」「ドルチェ&ガッバーナ」「ロダルテ」「マーク ジェイコブス」「アレキサンダー ワン」などがラインアップされるようです。
パンクの”do-it-yourself”、クチュールの “made-to-measure”、それぞれの異なる概念の比較が興味深い展覧会です。