毎月変化するアヌーシュカ・ライブラリー。5月のお薦めはこちらの2冊です。

・The Selby is in your place
・Robert & Shana ParkeHarrison / counterpoint

私たちの友人でもある、写真家一井りょうさんの2冊目の写真集”RASPOSO（ラスポゾ）”。
RASPOSOとはフランスのシルク（サーカス）集団で、りょうさんがその中で生活を共にし、観たり感じたり経験したことの一瞬一瞬を写真に収めたリアルな作品です。

現代サーカスとは違い、クラシックな伝統的サーカスの世界はまるで映画の中の世界のようで美しく、息使いや人々の歓声が今にも聞こえてきそうな写真に引き込まれます。
ご来店の際は是非手にとってご覧ください。
http://www.zotphoto.com

カール・ラガーフェルドが「黄金の手」と称したトップメイクアップアーティストのstephane marais(ステファン・マレー）。
主に90年代に彼が自ら施したメイクを撮りためてきたポラロイドをまとめた作品集がこの「Beauty Flash」(2001年)です。

20年代調や50年代調のメイク、幾何学的なラインやペイント的な手法のメイク、美しいグラデーションのミニマムなメイクなど、彼のメイクアップの表現力は本当に素晴らしい！一見奇抜に見えるメイクアップも、エレガンスが漂うステファン・マレーの世界観を感じてみてください。

リンダ・エヴァンジェリスタなどのトップモデルたちが皆、当時ショーの時はバックステージで彼を探してメイクをしてもらうほど信頼されていたことが、写真の表情からもうかがえます。

DAVID BAILEY / the lady is a tramp

イギリスのファッション写真家DAVID BAILEY(デビッド・ベイリー)による妻・CHATHERINE BAILEY(キャサリン・ベイリー)を撮ったモノクロ写真集。
スウィンギング・ロンドン(60年代半ば〜71年ぐらいまで)を代表するカメラマンとして有名なデビッド・ベイリー。
黒い背景の中に、強いストロボ光で浮かび上がるアイコンたちの写真は一目で彼のものとわかります。

この「the lady is a tramp」は、元々ファッションモデルとして活躍していたキャサリンが、一人のモデルから妻になり、妊娠・出産を経験して母になるまでを撮り下ろしています。
「nudes,fashion,pregnancy,children,beauty」の5部構成になっていて、彼女の表情の変化とともに、デビッドの妻への深い愛までも感じ取れる素晴らしい1冊です。

毎月変化するアヌーシュカ・ライブラリー。4月はこちらの3冊です。

・DAVID BAILEY:the lady is a tramp
・Stephane Marais:Beauty Flash
・RYO ICHII:RASPOSO

ANNIE LEIBOVITZ / WOMAN

アメリカを代表する女性写真家アニー・リーボヴィッツ。
70年代にローリングストーン誌のチーフ・フォトグラファーになり、ローリングストーンズのツアー・ドキュメントの仕事で一躍有名に。1980年にはジョン・レノンとオノ・ヨーコの暗殺前の最後の写真を撮影した事でも知られています。
多くのポートレート写真家がファッション写真出身ですが、彼女のベースはジャーナリストのルポルタージュ写真なのも特徴です。

アニー・リーボヴィッツが20世紀末に活躍する女性を撮影したポートレート写真集「WOMEN」(1999年)は、炭坑労働者、宇宙飛行士、最高裁判事、レーサー、ラスベガスのショーガールなど有名、無名にかかわらず広い分野からセレクションされた女性が収められています。
20世紀末のアメリカ社会で、女性がたくましくチャレンジし続けている様子が、それぞれの写真から力強く伝わってきます。
テキストは、彼女のパートナーでもあったスーザン・ソンタグが手掛けています。

La Vilaine Lulu / Yves Saint Laurent

ファッションデザイナー、イブ・サンローランが手掛けた唯一の絵本、「La Vilaine Lulu(おてんばルル)」。
これは彼が、1956年にクリスチャン・ディオールで働いていた20歳の時に、ゲイの同僚をモデルに書き上げたものです。
1967年に初版本が発売されしばらくお蔵入りとなっていましたが、2002年イブの引退記念にパリのコレットから限定発売され、翌年にフランスで再販されました。

黒、白、赤の3色だけで描かれていて、それがまたセンスを感じます。かわいいだけでない、少し毒のあるルル。
フランス語版ですが、イラストだけでも伝わるキュートでファニーなルルがたまらない、大人の為の絵本です。

MARK BORTHWICK / ALL EVENTS ARE EVEN

2002年にオランダのギャラリーMUで開催された展覧会に合わせて刊行された、マーク・ボスウィックのモノクロ写真集。
マルタン・マルジェラやスーザン・チャンチオロなどの服をまとったモデルたちのポートレートや、訪れた人々がジャンクのように積み上げられた洋服から好きなものを選び思い思いのポーズでカメラの前に立つ、ニューヨーク、アレッジド・ギャラリーで企画されたユニークなファッション・ショーのシリーズなどが収録されています。
この作品集も、アートとファッションの境界を行き来する彼ならではの世界観が存分に感じられます。

アヌーシュカ・ライブラリー3月のお薦めはこちらの3冊です。

・MARK BORTHWICK:ALL EVENTS ARE EVEN
・Yves Saint Laurent:La vilaine Lulu
・ANNIE LEIBOVITZ:WOMAN

ANNA BAUER:BACKSTAGE
ニューヨークを拠点に活躍するドイツ人フォトグラファー、ANNA BAUER(アンナ・バウアー）がNY、LONDON、MILANO、PARIS4大コレクションのバックステージで撮影したモノクロ・ポラロイド写真集。
収められているのは、カバーガールを飾っているケイト・モスをはじめ、ミランダ・カーやアギネス・ディーン、ララ・ストーン、ナタリア・ヴォディアノヴァ、ステラ・テナント、リリー・コールなどのトップモデルの他、カール・ラガーフェルドやマーク・ジェイコブス、ヴィヴィアン・ウェストウッド、ソニア・リキエル、ラフ・シモンズなどのトップデザイナー、元フランス版「VOGUE」編集長のカリーヌ・ロワトフェルドらジャーナリストのポートレートなど総勢267名！
装丁デザインは、数多くのブランドのアートディレクターを務めるFabien Baron（ファビアン・バロン）が担当。