アヌーシュカ・ライブラリー3月のお薦め
・derek jarman’s garden
・MAKEUP YOUR MIND BY FRANÇOIS NARS
HIPPIE / BARRY MILES
アメリカのジャズアーティストで、キーボードプレイヤーの”バリー・マイルス”によって書かれたこの本。
’65~’71までのヒッピーカルチャーが当時の写真と共に、エピソードを添えてリアルに書かれています。
制度に縛られる事を拒み、人間として自由に生きる事を選択した人々によって起こったヒッピーカルチャー。
この時代の音楽・ファッション・アート・文化はとても普遍的で、特に音楽に関しては今でも多くの熱狂的なファンがいます。
この本にも、ビートルズやザ・グレイトフルデッド、ボフ・ディラン等の様々な伝説的なアーティストが掲載されており、ヒッピーカルチャーの影響がどれほど強い物だったのかを感じる事が出来ます。
ファッションも鮮烈なサイケデッリクな配色・柄が個性的で、今年のトレンドとしても、とても注目されていますね。
実際にヒッピーカルチャーのルーツを感じ、ファッションに取り入れるとまた違った物に見えておもしろいのではないでしょうか。
ご来店の際は是非手にとってご覧下さい。
ossie clark 1965/74
60′s~70′sのカリスマデザイナー”オジー・クラーク”。
23歳の時に英版VOGUEで特集が組まれ、若き才能として注目を浴びていました。その後は、ミック・ジャガーやツィギー等の著名人からも信頼され、時代を代表するデザイナーとなりました。
この作品集は、2013年にロンドンで行われた回顧展に併せて出版されたものです。
デザイン画のデッサンや、それを形にし完成させた服が掲載されている他、妻でありクリエイティブパートナーであったテキスタイルデザイナーのセリア・パートウェルとの作品も見る事ができます。
ロンドンのハイファッションを牽引し、サン・ローランやトム・フォード等、多くのデザイナーに影響を与えた彼の魅力が詰まった一冊です。
ANDY WARHOL / “GIANT”SIZE
ポップアートの第一人者として20世紀を代表するアーティスト”アンディ・ウォーホル”。
この作品集には、収集癖があったという彼の膨大な遺品、そして彼のアートに影響を与えた物・人物が集約されています。
昨年、東京の森美術館で開催されたアンディ・ウォーホル展で展示されていた遺品には本当に様々な物がありましたが、本書にはよりマニアックな物があり、中には学生時代の成績表やレストランの領収書などもあります。
彼のデザインソースになったであろうイラストやデッサン、そしてスクラップ。すべてがルーツになっていたように感じます。
ファクトリーと名付けたアトリエでの制作風景も掲載されており、キャンベルスープ等の有名な作品の制作過程を見る事ができます。
アートだけでなく、映画やロックバンドのプロデュースも務める等、マルチな才能を持つアンディ・ウォーホルの生涯が詰まった一冊です。
ROBERT FRANK / TAL UF TAL AB
現代を代表する写真家の一人、ロバート・フランク。
スイスからアメリカへと移住した彼は、1958年に名作「The Americans」を出版しました。
外国人から撮られた高度成長期のアメリカの写真は現地の人々に大きな衝撃を与えました。当時はあまり受け入れられなかったが、今となってはアメリカの歴史を知る事のできる重要な写真集の一つとなっています。
今回、紹介する写真集は”TAL UF TAL AB”。
これはスイスで使われるドイツ語の方言で「谷間に上がり、下がる方向」という意味。今、住んでいるニューヨークとカナダで生活し、立ち止まり、考えている。という事をこの言葉で表現しています。
2010年に出版されたこの写真集は、彼自身がテーマとなり婦人や友人、インテリア、そして自身を被写体にした写真や過去の作品が掲載されています。何気ない生活のワンシーンですが、その切取り方には惹き付けられる魅力があります。
ロバート・フランクの写真集はいつも装丁が凝っていますが、この写真集もシンプルで素敵です。是非、ご覧ください。
2015年1月アヌーシュカ・ライブラリーお薦めの2冊
・ROBERT FRANK / TAL UF TAL AB
・ANDY WARHOL / “GIANT”SIZE
Carine Roitfeld / irreverent
カリーヌ・ロワトフェルドは18歳でモデルデビューし、20代では「ELLE」の編集者になり、デザイナーのトム・フォードとの出会いから「グッチ」や「イブ・サンローラン」のコンサルタントを経て、フランス版VOGUEの編集長を10年間務めました。
現在は、ハーパーズ・バザーのファッションディレクターを担当するほか、「CR Fashion Book」という自身の名をタイトルにした雑誌も手掛けています。
そんな彼女のキャリアが集約されたのが”irreverent”。
制作には「PURPLE MAGAZINE」の編集長、オリヴィエ・ザームも携わっています。
カール・ラガーフェルドやマリオ・テスティーノなどトップクリエイターとの多くの作品を通して、彼女のモード界での影響力、ファッションのパワーを感じる事ができます。
写真の美しさ、それを引き立てる斬新なレイアウト、インタビュー形式で綴られた、ドキュメンタリー映画のような一冊です。
Odile Gilbert / Her Style
現在パリを拠点に活動しているヘアアーティスト”オディール・ジルベール”。
80年代フランスからNYに渡り、ヘルムート・ニュートンなど多くのトップフォトグラファーの撮影に参加。
その後カルバン・クライン、ジョルジオ・アルマーニ、ジャン・ポール・ゴルチエといった有名メゾンの広告キャンペーンのヘアーを手掛け地位を確立しました。
ゴルチエのショーの為に制作した、髪の毛で編まれたシャポーがニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵される等、美容の枠を越えた活躍をしています。
ソフィア・コッポラの映画「マリー・アントワネット」のヘアアートディレクターを務めていたのも彼女。名前は知らなくても、彼女の作品はどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。
また2006年にはChevalier des Art et des Lettresという、フランスの芸術文化勲章を授賞しています。
この作品集“Her Style”には彼女の90年代の作品を中心に、当時のスーパーモデルや、ピーター・リンドバーグとの有名なショットも多数掲載されています。
オディールのつくるヘアーからは、ただきれいなものだけが「美しい」のではないことが伝わってきます。
是非観ていただきたい作品集です。