ANOUCHKAJOURNAL

SHIN YANAGISAWA

個展開催も写真集も少ない寡作の写真家・柳沢信(1936-2008)。
柳沢信は1958年にミノルタのPR誌『ロッコール』で、当時のモダンな若者の気分を写真で表した「題名のない青春」で華々しくデビュー。
その後、1961年に結核を患い約2年間の療養生活をおくった後は、時代の流行に左右されずに、旅の中から見つけた光景を純粋にカメラにおさめた風景写真で注目されました。
1993年イタリア旅行をした際に撮影された作品で、初めて海外の町や人、空気を写し取り、今後の新しい展開が期待されるも帰国後、喉頭癌、食道癌が見つかり手術。声を失うとともに、息を止めることができなくなり、シャッターを切れなくなりました。
彼の作品は、完璧な構図で心地よい距離感を保ち、淡々としかし力強く迫ってきます。

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